過去問の解法暗記にも有用なノート法

「マインドマップ資格試験勉強法」改
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2025年3月7日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する型・パターンにも注目。
本誌で合格を目指す貴方にその型を提案し合格を支援します。

勉強の先延ばし解消法はどうですか

月は変わった。
大忙しになりそうな頃。
その一方で試験勉強も佳境を迎える。

夏期に本試験を控える受験生は試験勉強が終盤にある。苦手科目が何としても足切り点をクリアできるようにしつつ、得意科目が総点を一点でも多く稼げるようにしたい。詰まるところ得点力の強化に心血を注ぐ時期にある。その為に有用である勉強法は過去問を繰り返して解くことでその解法を覚える行為だった。今は勉強の先延ばしを少しでも解消したい時期でもあるのでは。

効果を期待したノート法の問題

一方、この時期に限らず、次のような受験生の絶えることもない。「一級建築士を目指すSさん。仕事柄、残業の多い状況下、資格取得を目指した勉強に余念がない。休日に10時間以上も勉強する事も厭わない。だがそうした努力に反して過去問解法の暗記が思うように進まずこの打開策に様々なノート法を試すがその効果もイマイチで気鬱になっている」

皆さん、貴方はどうだろうか。勿論「オレ・アタシって、過去問を3回も解いたら、その解法どころか答えまで覚えてるよ」と言える状況であるのならばその好調を維持できる例えば覚えたはずの解法を忘れかける頃に再び過去問を解いて解法の記憶を維持したり強化できたりする念の入った勉強を続けられたい。

やれやれ何が問題なのか。「それって地頭が悪いからジャね」とお考えだろうか。しかしそうであった割りに資格取得した筆者の経験や脳神経学的な知見から「頭の悪い人はいない。ノートの使い方の悪い人が居るだけだ」が当を得ている。であるならば過去問の解法暗記に効果を期待できる勉強法として使えるノート法をここらか再提案できる。

今回は過去問の解法暗記にも有用なノート法を再確認したい。

結 論

そのノート法は決して要点の複写をしない。例えば、学生時代、教師が授業で展開する板書を順次に書き写す方法でない。また資格試験の予備校が講義で展開する講義を同様にする行為でもない。そうするのではなくて、授業中にノートを取らない東大合格者が行う勉強法としても知られる能動的な想起に基づくノート法だ。

まず能動的な想起は教科書の例題や定期試験の問題に正答する為に求められる頭の使い方、「うーん、この角度はどう計算するんだっけ」「うーん、この英語構文の意味って何だっけ」とその方法やその意味を努力して喩えれば脳に汗をかいて思い出そうとする行為だ。言わば筋トレの様に脳に負荷のかかる思い出す行為だ。

その能動的な想起はこれを行う為に想起の対象に関わる視覚や聴覚そして言語など様々な脳神経系統を賦活する。その系統に記憶に関わる神経信号が流れ易くなる機構を構築する。喩えていうなら記憶情報と言う水か流れ易くなるように想起に関わった神経系統という水路の幅や深さを更新する。そうして記憶つまり自身の力を強化する。

脳死的ノートでなく能動的な想起のノート法を

そうであるので、受験参考書を読みながら「これって要点だから書いておこう」などと想起を省いて順次に書き写す効果的な勉強しているように思えるが、実は単なる書き写しの頭をそれほど使わずにできる脳死的作業の連続である従来のノート取りとは違う。そうするのではなくて合格を目指す為に行うべきは能動的に想起するノート法だ。

対して「でも色ペンやマーカーでカラフルに書き取れば良いんじゃない」と思うだろう。しかし、それにしても、彩色を交えた上記で言えば受験参考書の手間暇をかけた書き写しであって、次に根拠を述べる能動的な想起を基盤にすることで要点を確かに記憶する効果を期待できる方法とは異なる脳死的な作業であることは否めない。

能動的な想起の根拠

能動的な想起に関して、海外の1939年、2010年、2011年の研究はアクティブリコールを行ったグループがそうでないグループよりも成績が大幅に向上したと公表。例えば2010年の研究は、練習テスト(これはもちろん積極的な想起を要する)を行ったグループがそうでないグループに比べて30%も成績が向上と言う。

よって、例えば受験参考書の要点をノートにまとめるとすれば、それは「あの項目に要点っていくつあって、それぞれの内容って何だっけ」と能動的な想起、言うならば自作自演のQ&Aをしながら、それを紙面に展開する。決して本を読みながら要点を書き写すのでなくて、読んだ部分を伏せてそれの要点を思い出して書き取る。

マインドマップの書き方にご用心

「マインドマップなら読みながらの書き写しで効果あるのジャね」と思うかも知れな。確かにマインドマップは記憶強化に資するノート法だ。しかしその記憶強化に関する実はこれが鍵語でノートを展開する書式が書き手に求める能動的な想起にある。鍵語を書き付けるには要点を鍵語として能動的に想起する過程を要するからだ。

そうであるから、例えば書き付ける要点を参考書に書かれた順番どおりに(例えば「この段落の要点ってキーワードで言うと何」と能動的な想起つまり頭を使うのでない)目についた語句を書き付けるマインドマップは通常の書き写しノートと言う脳死的な単純作業であることて選ぶところがない。これもまた脳死的な手作業だ。

コーネル式ノート的なノートを実践する

そうであるから例えば学習に効果を期待できることから米国の大学生が多用するコーネル式ノート法は、要点を積極的に想起させる標題や見だしを左に書き、想起すべき要点をその右に書く。そうして書いた講義録や読書録など後でそれを見返した時、自然にQ&Aで能動的な想起が書き手に促されるような書式である。

では資格の試験勉強において能動的な想起に基づくノート法を運用するのか。例えば過去問を解いてその正誤確認に解答解説を確認して解答に誤答したことが分かり、何をどうすれば正答できるのかを読解したとする。そうしたらその解答解説書を伏せて「あの要点って何だっけ」と能動的に想起した要点を例えば「問:余弦定理とは」「答:三角形の辺~」と問答形式にしてノートにする。

ここで「毎回そうするのって大変」と感じるだろう。そうならば同じ過去問を解くのが3回目でも誤答した場合から上記の能動的な想起をベースに正答するに資する要点の書き出しを行う。同じ過去問で3回目も誤答するのは正答する為に有用な要点を記憶していない証。ノート作りで能動的な想起をすることによりそれを記憶に止めたいからだ。

能動的な想起は一発記憶法ではない

と言うと「んジャ1回目からそうすれば3回も過去問を解かなくてよくない」と省力化を目指す向きがあるかもしれない。つまりそれは能動的な想起を一発記憶法に代用しようとのお考えだろう。しかし実際に確かめてそうした効果はこれを期間をおいて2回目、3回目と過去問を解いた結果で確かめるのが賢明だ。

繰り返し本を読む。読書中の要点をマーキングする。そうする単純作業的な勉強法よりも前述した効果を期待できる能動的な想起に基づく勉強法で要点をノートにしたとしても私たちは脳の省エネ志向から忘却の習性にある。後者は前者よりも記憶に関して勝るが忘却から決して逃れられない。過去問解答を繰り返す、つまり能動的な想起を繰り返すのが得策。

勿論、勉強のタイパからして、初回から過去問が誤答であることから能動的な想起式のノート作りは控えたい。正答に資する要点を記憶する勉強は、ノートという時間を要する手段でなくて能動的な想起を繰り返す過程が基盤であるから、より能動的な想起が必要となるように期間をおいて過去問を繰り返し解くことのが賢明だ。

試験勉強の要諦は能動的な想起

「じゃ、繰り返し能動的な想起をする仕組みを作ればよいのね」とお考えであるのならばそれは誠に適切である。そうした先見を形にしたものが学生時代に用いただろうQ&A形式にした単語帳などのようなフラッシュカードだ。3回目もなお誤答した過去問に要する要点の問いかけを表にその答え・要点を裏に書くカードだ。

そのカードは手のひらサイズ(例えば京大式カードB6判)で持ち歩けて通勤の移動中などでそれをめくって繰り返し能動的な想起ができる形式だ。とは言え何もマーキングや色ペンを使ったり手の込んだ図解をしたりする行為は無用。問答ができるのであれば走り書き一向に構わない。コスパ的にそうすることが賢明だ。

それに対して「繰り返し能動的な想起すれば良いのなら、それできるよう期間をおいて繰り返し過去問を解けば良いジャね」とは極めてご賢察だ。「練習テストを行ったグループは、そうでないグループに比べて30%も成績が向上」と前述した通りに能動的な想起を求めるテストの1つが過去問である事はご案内の通り。

能動的な想起を一段とようする一定期間をおいた過去問の反復解答と、過去問の正答に資する要点を能動的に基づいたノート作り、そしてそれを持ち歩いて繰り返し能動的な想起を行う。いずれにしても能動的な想起が合格を目指すことに関して大いに有用であることを確認した。これを実践するが否かはもちろん貴方次第だ。

能動的な想起に基づくノート法に健闘を祈る。
Good Luck