【基礎知識の記憶を効果的にするには】

「マインドマップ資格試験勉強法」改め
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2024年2月16日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する型・パターンにも注目する。
合格を目指す貴方にその型を提案することで合格達成を支援します。

基礎力ってどうでした?

こんにちは。
NLP資格試験コーチの近藤です。

今月は既に折り返しを通過。
2週間程で次月に移行してしまう。
閏年でも他月より日数が少なく仕方ない。

一方、年度末に関わる職場なら、多忙さも次第に極まる頃。しかし、今夏に受験予定ならば試験勉強は待ったなし。前回のデシラ過去問を解き直して基礎力確認をした結果が良好でなかったとしたら、どうすべきか。

その答えは基礎力を形成する法律用語や専門用語、公式や算法を覚え直しだ。それらに関する記憶不足がデシラ過去問の誤答となる基礎力の脆弱を露呈することからして、それらを再学習して記憶することは至急に解決すべき課題だからだ。それは、英会話を容易にしない原因が、英語話者との意思疎通に不慣れなことにあるのでなくて、基礎的な英単語や英文法の知識不足であから、その不足を急ぎ解消すべきことと同様だ。

ここまでに関してはどうお考えだろうか。
記事に関するご質問やコーチングでのご相談からして以下が想定できる。

「このハイテク時代で、結局は暗記なのかよ」
「記憶っていうけど、それができれば苦労はしないわ」
「暗記が苦手で色んな試験で苦労したのに、また暗記って無理よ」

なるほどね。お嘆きの向きは、合格までに長期を要した僕の受験生時代が掌を指すように分からせてくれる。犬や猿に芸を仕込むかのように、自らに無味乾燥と思える用語や公式を覚えることを繰り返すことは、心理的な拷問にも思える。しかし、義務教育から大学入試そして資格試験まで、合格を可能にするのは記憶された基礎的な用語や公式などである。それを嘆いても仕方ない。試験勉強とはそう言うものだった。

と言うよりも、基礎力をなす用語や公式を覚えることができさえすれば、多少は性格が屈折していようが、思想的に偏っていようが、学歴や職歴に暗い影を有していようが、以上に左右されることなく基礎力を固めやがて合格点を取得できようになれる。つまり、合格を目指すことが叶う。なんと素晴らしいことではないか。

では、暗記をより効率的にすることはどうすればできるか。
今回は効率的な暗記法について再度ご案内したい。

結 論

その方法は暗記つまり記憶の公式によって行う。
記憶 = 回数 × 強度/回数

記憶は銘記と保持そして想起の三層をなす。デシラの過去問を解き直してみた時に正答に必要な情報を懸命に思い出した事実から、試験本番に要するのが三層の1つである想起、その強度だ。

記憶や暗記というと、覚えたい対象をとりあえず覚えるつまり銘記することに注力しがちでそれができたことで安心しがちだ。しかし、たとえそれができたとしても保持とその結果としての想起が本試験でできなければ、「これさえ覚えれば合格」とする要点を仮に銘記できたことはこれを先のようにできなければ全くもって意味がない。

かつ、暗記(この対象を「想起」して覚える)はこれ自体を繰り返す、つまり想起を繰り返すこと自体が、再度の銘記となり保持につながり結果として暗記を再強化する脳機構が機能してくれる。よって先の公式は次の様に読み替えられる。公式が結果する単位は強度であるから、例えばそれを0から10とする。正答に必要な暗記の強度を10にすることを目指す。

暗記 = 回数 × 強度/回数

暗記の強度を高めるにはどうするの?

それは上記の公式が回数と強度の積であることから、暗記の回数を増やす。かつその回毎の強度を高めることである。また、効率性を鑑みると、少ない回数で同じ暗記強度を得たいのならば、強度を高めることの有用性が分かるってこよう。では、強度を高める方法とはなにか。

それは、知覚した対象を知らぬ間に覚えさせるCMや映画が教える。知覚の対象に関わる感覚をできるだけ増やし同時に強く刺激することだ。例えば、映画は鑑賞し終わった人が無意識に映画の主人公的な身振りをしてしまう程の記憶つまり想起を形成する。これはカラフルな映像で視覚を、心地良い音楽で聴覚を、肌を震わす効果音で触覚を、それぞれに強く刺激した結果だ。

そうだとすると先の公式は以下の様に展開できる。
強度 = 視覚強度+聴覚強度+触覚強度
暗記 = 回数 × (視覚強度+聴覚強度+触覚強度)/回数

暗記に関わる強度を更に高めるには?

その方法は、例えば良質な視聴覚教材を使うことだろうか。実際、資格試験の教材業界は「これさえ見れば○○だ」とそれを受験生に売り込むことに余念がない。だが、「それで合格できれば苦労はしない」のが現実だ。受動的に「見たり」「聞いたり」する視聴覚は視覚や聴覚の強度を余り上げない脳機構があるからだ。主体的な学習が示唆するように能動的であって効果的になる。

「えっ、でも映画って見てるだけで内容が頭に入るんでケド!」

そうご立腹だろうことは容易に想像できる。映画でそうなるのはこうだ。「それって見たい」とする能動性を強化するCM動画が、記憶に残ることを目論んだ心的な投錨を巧みに組み込んでいながら、繰り返してメディアに流れる。これを見聞きして結果的に鑑賞者になる人は「見てるだけでストーリーが頭に入る」能動性と心的な記憶機構を知らぬ間に獲得させられているからだ。

暗記の強度を本質的に高めるのは

そして、「心的な投錨」は後に映画鑑賞者の脳内で鑑賞対象を「見ている」だけで記憶に刻み付ける機能を果たす。NLPにおいてトリガー(例えばある対象に対して意欲を覚えたり好意を持てたりする肯定的な心身の状態をもたらす反応を起動する引き金)と呼称されるが、もちろん専門的なこれを知らずとも誰しもが使えるものであるから映画CMにも使われる。

それが、映画で言えば「これってナニ」と興味をそそる謎かけであり、「これってあのことだったのね」と感動させる伏線だ。以上を括って言えば論理いわば話の道筋だ。論理というと堅くてエンタメ的な映画と無縁に思えるが、ようするに我々が古来、文化や習慣そして儀礼を学ぶために連綿と用いてきた物語つまりストーリーだ。とここまで読むとどうだろうか。

「試験勉強でストーリーなんて意識できない」とお困りだろう。仮にそうであってもご心配には及ばない。物語つまりストーリーを用いる目的が学習の対象に関する理解を深めて結果的に記憶(銘記と保持そして想起)することを目的にすることからして、勉強する事を理解(話の道筋を解)する事がそれを想起することに資するのだから、「ヤッパし理解が大事よね」と気づけば良いからだ。

暗記の強度をもっと高める暗唱の勧め

ではどうすればよいのか。その方法となるのが暗記の強度を高める知覚の強度も担保する能動性をも加味した暗記の具体的な手法として敢えて確認するが次の様にする「暗唱」だ。そして、暗唱する内容を構成する語句まで理解し、暗唱する公式の成立過程を理解しておくことが暗唱を単なる調教的な反復作業でなく有意義な学習過程にしてくれることを前提にすることが有用だ。

  1. 理解した暗記物を手に取る
  2. それを見ながら20回声にだす
    • 視覚や聴覚、口周りの触覚を自然に使える
    • 3ができるようにこの回数を試行錯誤によって加減する
    • 20回で駄目ならば30回と増やす
  3. つづく10回を暗唱(それを見ずに想起して声に出す)
    • 10回で暗唱できなければ20回と増やす
    • 上と同じならあるいは2をやり直す
いろいろな語学の勉強をする人のイラスト(女性)

2と3、その回数減らしたければ次のようにする。2で暗記の内容を声に出すことに対して、リズムを付けたり声に抑揚を加えたり身振り手振りを加えたり、そうして知覚に関わる強度を高めつつも能動性を加味することだ。そうすと、「これってあのリズムと手の動きで覚えた」と想起に至れる映画CMが巧みに構築する記憶を強化する心的な投錨も自らに施せて2の学習効果を強化できるからだ。

加えて、3の暗唱は自分が自身に語りかけて理解を深められる自作自演の講義をしているようなツモリでこれを行うとより効果的にできる。むしろ、理解を意識して2の段階を行うことは、要点を意識することになるのだから、自ずと内容を声に出す際の抑揚やリズムを生じせしめるはずだ。端的に言えば、「ノリノリ」勉強することに自らを招待することになるだろう。

そう言えば、上記の効果を実感したことがある。
それは、ピアノ演奏を覚えることに資する楽譜を暗譜することに於いて次の様にしたことだ。
1.楽譜を手に取る
2.それを見ながら音名を○回声にだす
3.つづく○回を暗唱(それを見ずに想起して声に出す)

上記の方法はこれを効果的な暗譜法として音大生が実践することから模倣してみた。すると、暗譜が容易にできることに加えて、当然の事ながら音名と運指も連動することからピアノ演奏を円滑にしてくれた。老齢を迎えながら無謀にも始めたピアノ練習においても楽譜を暗唱して暗譜することの絶大な効果を大いに享受できていることもご参考としてここ書き留める。

暗唱による記憶が効果的になりますように。
Good Luck!!