「マインドマップ資格試験勉強法」改
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2025年6月6日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。
合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する思考と行動にも注目する。
本誌で合格を目指す貴方にその神髄を提案して合格を支援します。
段階的な拡張学習法の実践はいかがですか
こんにちは近藤哲生です。前号は苦手科目の克服法をご案内。その取り組みはどうでしょうか。勿論、「刻んで拡げると弱点がハッキリと分かるので勉強が面白い」のであれば、ご案内した甲斐がありました。そもそも苦手科目は存在しない。これを苦手にする人がいる。弱点を解り克服した人は苦手を得意にできる。
よって刻む、即ち段階的な拡張によって、先を急ぐことで見落とし易い弱点(用語の意味を曖昧にしたり算式の応用法を十分に理解していなかったりする。勿論、場合によっては決して小さいと看過できない)を発見して、これを解消する。この行為を繰りかえすことが貴方をして苦手科目を得意科目にさせるのだった。
その一方、先の実践をすればこそ次の悩みや嘆きも出てくる。
「弱点の克服って要点を覚えられなきゃ無理ゲーよ」
「得意科目で総点を稼ぐのは要点の暗記をしなきゃできない」
「結局さ、刻む勉強も暗記が必要でこれができれば苦労はしない」
確かにそうだ。資格試験はそうするものでもあるから。

試験勉強に必要な暗記を上手にする方法
だがその言説で事が済むならば受験生の誰もが悩まない。暗記や記憶の基本は忘れかけた頃の想起を繰り返す学習に立脚する。それで記憶に関わる神経結合が強化される。結果、本試験の必要な場面で使える記憶を形成する。その立脚点である想起ができなければ繰り返しによる強化の余地はない。何と言うパラドックス。
やれやれどうしたものか。その方策は想起がしやすくなる覚え方として理解に基づく記憶・暗記をすることだ。「解った」体験がエピソード(「これってこんな意味だったのか」と得心した興味深いお話)記憶を形成する。その記憶は端的に言えば一連の流れ(つまり文脈)に於ける体験的な記憶でもある。
その記憶は「解き方が見えた(視覚)」「算式の理解が調子良い(聴覚)」「要点が腹に落ちた(触運動感覚)」と言葉になる感覚を伴う。特に根拠と論拠、結論がなす理解つまりコンテクストとイメージによって想起を容易にする本試験で使える想起になり得る。以上から理解に基づいた記憶そして暗記を繰り返しお勧めしてきた。
忘れることの効果的な対策
しかし、「理解して覚えたつもりでも忘れちゃうの!」との声があるのは承知してきた。ご案内した私自身もそうだったので決して他人事ではない。人は得てして忘れる。忘却する。だから新しいことも覚えられもする。だが合格を果たすまでは余りそうありたくない。心、脳の仕組みにはホトホト困ったものだ。
では、どうしたら、その困った状況を解消できるのか。1つは覚えたいことを人に教えた体験でエピソードを強化した記憶、言わば超エピソード記憶を得ることだ。これは効果的な記憶法としても海外の脳神経学者たちも推奨する。共著「マインドマップ資格試験勉強法」でティーチング勉強法としてご紹介した。
勿論、「教える人や場が何時もある訳じゃないから無理」との反発がある状況も推測できる。「その人や場所を見つける暇があったら勉強するツーの」とはごもっともである。さて、今回はそのような皆さんにも、以下を実践されれば、理解に基づいた記憶や暗記の強化に於いて効果を期待できる方法をご案内したい。

結 論
その方法が見える化する記憶術。この前者は覚えたいことを文字にしたり絵や図式にしたりと漫画的にする。こうして目に見える化する。この目的は後の記憶術の補強だ。覚えたいことをイメージする手助けをする。前述のように記憶、特にエピソード記憶は文脈と知覚で強力さを得たが、見える化の手助けでこれを更に強化する。
後者は海外でメモリーパレス、記憶の宮殿と呼ばれる方法。ランダムに並べたトランプの札を覚える様な記憶力競技会の参加者が多用する強力な記憶法だ。勿論、トランプの札でなく資格試験の要点を覚えることも容易くしてくれる。但し鮮明なイメージ力を要求するのが難点。この点を克服できない者はこれをほぼ使えない。
そう言えば「イメージするのが苦手なんです」とある講座で参加者が訴えた。これに「だからイメージするんです」とその講師が返した寒い情景を私は今も想起する。「イメージできなければイメージができる(見えるよう)にしましょう」と私は案内したい。よって見える化として冒頭で触れたのだった。
見える化する記憶術のやり方
これは次の3段階を進む。一つ目はご案内の見える化だ。イメージつまり想い描くのが苦手ならば、想起したい要点を想い描かずに実際に紙に書いたり描いたりする。二つ目はこの記憶術の実態である記憶宮殿、別名は場所記憶法を実践する。3つ目は2つ目の効果検証または復習として時間をおいて想起する。
第一に見える化は覚える要点を文字で書いたり絵や図式で描いたりする。これに上手は不要。自分さえ解れば良いかき方とする。上手にかく努力は時間の無駄。但し絵や図式をかくならば印象深く描こう。言うならば下手ウマで面白く可笑しい落書きをする。この見える化は後にこれを想起する為に絶大な効果を発揮する。
第二に、貼り付けた落書きの要点(文字、絵や図式)を想起する端緒、例えば記憶の宮殿(王様の豪華な席や祭り事を行う祭壇、多彩な壁画などがある所)つまり場所(私たちに置き換えれば、息をするように想起できる自宅や通勤路などの様子)を使う。その場所その場に貼り付けた落書きを連想する。

以上を自宅を背景に実践するとしよう。例えば一級建築士の受験生が頻出の換気、採光、排煙、避難、無窓と5つの法文に関わる要点を覚えるとする。玄関扉、廊下の壁、洗面所の鏡、トイレの扉、台所の冷蔵庫に夫々を言葉や図解を見やすくかいた落書きを貼った様子を心の目に写す。後で背景を糸口にそれらを想起する。
その想起は、心の中で自宅のあちこちを歩き回りその場所毎に貼り付けた落書きを見るような感覚で行う。自宅を背景にした落書きの内容は、記憶を強化するコンテクストとイメージを兼ね備える。「スマホは台所の食卓に置いたな」と即座に思い出せる事に似て、自宅の各所を背景にしてその場の張り紙を心に映し出す。
記憶の母は繰り返し
第三に、「張り紙があったのは思い出せても中身までは無理」と言う体験はこれを始めた当初はあり得る。だが、どうか安心して欲しい。これも記憶の原則である繰りかえしによりその無理は道理に変えうる。夫々の場所にある落書きを目にしたらその場を背景にしてその中身を音読したり説明したりして繰り返し覚える。
「えっ結局は暗記?!」とお怒りかもしれないがただ繰りかえす暗記と違う。別所、心の中でその場その場に立ってそこにある張り紙を想起してみよう。すると、まるで見て聞いて、あたかもそうしているかのような絵が心にありありと浮かびくるはずだ。これが見える化した記憶宮殿のビックリな効果だ。論より証拠でやれば解る。
記憶宮殿の別称は場所記憶法だ。宮殿の各所つまり場所を背景にして覚えたいイメージにした事と連結して記憶を強化する。場所の記憶は努力の必要なく心の中で自宅や通勤路を自由に歩き回れるように極めて強力だ。これを発揮できた生物種は生存競争で淘汰されずに生き残った事実から、場所つまり空間の記憶は実に有用だ。
以上、見える化記憶術のご案内はどうでしたか。「これって以前にも読んだ気がする」とは素晴らしい想起です。その気はむしろそうなさった証です。事実、呼び方を変えた記憶法としてご案内していました。それをご想起の方は実に素晴らしい記憶力を有していらっしゃる。今回も参考にして更に要点の暗記に励んで下さいませ。
見える化記憶術による苦手克服に健闘を祈る
Good Luck!