やる気なしでも勉強習慣を獲得できる

「マインドマップ資格試験勉強法」改
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2024年9月6日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する型・パターンにも注目する。
本誌で合格を目指す貴方にその型を提案し合格を支援します。

合格者の時間軸を逆順に構築してどうでしたか

こんにちは
こんばんはお元気ですか。
NLP資格試験コーチの近藤です。

前号は「合格した時点から逆順でこの週末からでも勉強し始めるような時点の連続つまり時間軸を創る」実践をご提案しました。それは合格を叶えた時点から時間を遡及しながらその時々に行った試験勉強を記述する。合格した時を現在から勉強を始めた時点の過去へと貴方の合格物語を逆順に創作する実践でした。

それを実践されてどうでしたか。例えば「不合格ぽくてそれも勉強も無理」だったかも知れません。悲嘆に暮れる行為も1つの癒やしだから、それが適度であれば有用です。しかし、受験生に最も価値ある時間は矢のように過ぎていくのも真実なのでほどほどに。またはある方々は次のような状況にあると拝察します。

「少しでも勉強したいけどなんか無理」
「さあ勉強しよう思うけどやる気がでない」
「合格物語を書いてみたけどやる気が起きない」
「物語より合格の行動計画を作ったけど以下同文」
「それってなしでも勉強できればと思うけど以下同文」

勉強できないのはやる気がないから!ホントに?

「なんでそう分かるの」とお考えでしょう。講座やコーチングで上記のお嘆きを幾度となく拝聴しました。その経験は勉強できない状況がやる気の有無よりある仕組みで起こる現象だと教えるからです。その仕組みは目にしたスマホで遊んでしまう。遊んだことからまたスマホを目にしてしまう。つまり刺激と反応の相互作用です。

その相互作用は世に言うパブロフの犬的な条件反射です。実はその相互作用は刺激が喚起した欲求が反応した後の楽しさや満足感などの報酬を人にも予感させる。その報酬が後の反応を脳にも求める。その反応と報酬の相互作用が例えば「スマホで遊んだら楽しそう」と人にも強力に影響します。2つの相互作用はよく言う泥。

そのような刺激と反応、欲求と報酬、それらの底なし沼に陥った人はスマホ(ゲーム機やテレビ)使用に勉強に当ててもなお余りある貴重な時間の浪費を繰り返す。その行為を試験直前期に後悔してもどうにもできない。またすこしでも早期に勉強を始めないことには、次の受験でも悲劇が再演される懸念は払拭できない。

何れにしても勉強を始めることはどうすればできるのか。
今回はやる気なしで貴方も勉強できる方法を再確認しましょう。

結 論

その方法は習慣の形成とその維持に関わる右の仕組みの活用。事実、やる気の有無に関わらず、私たちは起床を刺激にして洗顔したり朝食を取ったり、平日ならば通勤したりすることがができる。刺激が欲求を、欲求が反応を、反応が報酬をと連鎖している。その連鎖は前述のように欲求と報酬、反応と刺激、それらの相互作用に力を得るからだ。

実際、休み明けの起床を刺激にして、やる気と無関係に「会社に行かなきゃ」と欲求を覚え、あの大変な通勤という反応を行い、職場に着けば定時までに仕事を始められる安心感や同僚が挨拶に答えてくれる連帯感などの報酬を得る。その循環反復は遂に習慣となる。給与や賞与などの報酬ももたらす。やる気に関係なく続けられる。

勉強習慣も獲得できる

同様にして、朝型で勉強を計画したならば、起床後に済ませる洗顔や朝食を刺激にして「合格したい」欲求を自覚する。その欲求に反応して勉強する。勉強をし終えたら「完了よくできました」と自己承認をして報酬を得る。夜型ならば、帰宅後の着替えを刺激にして「合格したい」以下同文。以上を淡々と繰り返す。

もちろん、朝も夜も勉強する習慣を形成したいならば、朝には朝の、夜には夜の、洗顔や着替えなど既に獲得ている習慣を刺激にして、習慣の連鎖を活用すれば、刺激から報酬までの円環を簡単にたどれる。その円環を繰り返せば合格を目指せる勉強習慣もやる気の有無に関係なくこれを形成できる。いかがだろうか。

刺激から報酬、それらが形成する円環は、これを繰り返すに従って冒頭の刺激を洗顔や着替えから前回に勉強できた結果に転じる。つまり、洗顔や着替えをするか否かでなくて、勉強を完了したこと自体が刺激になって勉強習慣を維持し始める。勉強習慣を獲得し始めた人は勉強できる状況が報酬であり刺激となって勉強を欲してそれを実行せずにはすまない習慣、つまり不幸なスマホ依存でなく幸福な勉強依存を獲得できる。

鬼神を敬して之を遠ざけるに倣え

だが「スマホをつい弄っちゃって駄目」と自覚するようにスマホの画面を目にしたりその着信を聞いたりした刺激は貴方が勉強を怠ける負の円環を起動しているかもしれない。仮にそうであれば、その円環を駆動する刺激を認知した後の欲求や反応そしてその報酬の発する力は鬼や神のようなものであろうから次の対処法をご案内する。

スマホの画面やその通知音はそのようにして勉強を怠らせてきた。その魔力は将に鬼神の如しだった。一方で生活を便利するので、それらの威力は身近にあれば抗し難い。之に抗おうとするよりも敬して之を遠ざける、つまり意図して避ける行為が賢明だ。勿論スマホを触らない等の無力な心がけを頼みにしない。

そうでなくて、円環を始動する知覚の刺激を貴方が認知しないで済む工夫をすることだ。勉強中、スマホをお休みモードにして通知音を遮断する。勉強が終わるまで見られず触れられずにする勉強机から遠い場所に置く。「何でそんな面倒なことってするの」とお考えだろう。そうならばそれに続いてお答えしよう。

人、脳は、常時に省エネ方式で機能する。簡単に反応できる刺激に応じたがる。だが見たい触りたい欲求を満たすには、起ち上がってそれを満たせる対象を手に取ってしか反応しかできない刺激には「面倒クセー」と応じ難い。この機構に依るために先のように、鬼神を敬して之を遠ざける工夫をする訳だ。

何かを刺激にして勉強をする習慣を始める

何かは洗顔や着替えに加えて勉強すると決めた時間だ。それを刺激にしてやる気と無関係に勉強机に向かう。意欲がなくても、それがあるかのように勉強を始める。時間の認知を切っ掛けに勉強をする。状況に左右されやすいあやふやなやる気や意欲などの刺激に頼らない。時間によって後述する勉強の円環を駆動する。

もし「そんなふうに勉強机に向かうって無理」であれば、勉強を始める行為を習慣にしたいのだから、場所に拘らずにソファーに寝っ転がって参考書を読んでも、お風呂に入りながら視聴覚教材を見聞きしても勉強をすれば良い。何れにしても事の要諦は時間を切っ掛けにして勉強を始める。それを繰り返して習慣を形成する訳だ。

実は、勉強依存症の人たちが秘密にしていることだが、やる気は出すのでなくて、勉強をし始めた刺激によって脳内機構から後追いで自然に出てくる。だから、勉強家の諸氏はやる気に頓着することなしに淡々と勉強をし始める。それが秀才と凡人の違いを創る違いの1つだ。

勉強をする習慣を形成しやする工夫

勉強をする行為とこれの反復はこれをより簡単にできる工夫で習慣の迅速な形成を可能にする。その工夫は勉強机の近辺にスマホを置かないことに加えて勉強にパソコンを使うのならば勉強を阻害するアイコン類は目につかないようにあるホルダーに収納すること。勉強机は参考書や法令集などを直ぐ手に取れるように整備する。

通勤の往復は活用することで勉強時間を増やせるから、勉強を容易にできるように、鞄やバックの中に参考書や過去問集を携帯する。「それって重たくて嫌」ならそれ用のものは勉強机のそれとは別に入手して分冊にする。重さやかさばりを気にせずに持ち運べる工夫をしよう。もちろんスマホで視聴覚学習をするのもありだ。

勉強習慣の形成にイメトレや自己承認も活用できる

加えて刺激(切っ掛け)から欲求や反応(勉強)をすることをしやすくするには、勉強を始めるに際して「計画通りに勉強できたら良いな」と思い通りに勉強できた状況をルーティンとして想像して欲求を喚起する。人脳は想像と現実を区別せずに達成の快感を覚えて報酬を予感する。この脳機構によって欲求と報酬との関係を活用することが得策だ。

更に、勉強をし終えた時、特にジャーナルなどと形式に拘らずに「今夜は○時間の勉強ができた」と喜びの自己承認を手帳に書いて報酬を得る。それが面倒ならばカレンダーにそうできたことを表す花丸でもつける。それらも手間ならば勉強の終わりに背伸びでもしながら、「達成ヨクできました」と労いの報酬を得よう。

以上は刺激から報酬までの円環を活用する実践だった。「これって前も読んだかも」とお感じであれば実にその通り。有用なそれを改良して後生に手渡しするのが年寄りの役目だからだ。それで合格した時点から逆順に構築した高確率で合格を目指せる時間軸に沿った試験勉強がやる気と無関係にできるようになれるのです。

勉強習慣の獲得に健闘を祈る。
Good Luck!

注記:刺激、反応、欲求、報酬、それらの関係は“Atomic Habit”日本語版を参照しNLP的な観点で改良しました。