合格を目指せる効果的なノート法とは

「マインドマップ資格試験勉強法」改
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2024年6月28日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する型・パターンにも注目する。
本誌で合格を目指す貴方にその型を提案し合格達成を支援します。

生活を朝型に転換してみてどうでしたか?

こんにちは、こんばんは
NLP資格試験コーチの近藤です。

今月もこの週末で終わる。
いよいよ受験シーズンが切迫してきた。
ほぼひと月後、例えば一級建築士の受験生は本試験を迎える。
同2か月後、社労士の受験生も以下同文。試験勉強は最後の頑張り時だ。

さて、皆さん、あなたの調子はいかがだろうか。「うん、超いい感じ」的なら言うことなしだ。今回も本号の情報はお役に立てないので最後の追い込みに励まれたい。しかし「うっ、それって聞かれたくない」様ならばご用心。その理由は様々だろう。通底する状況を1つ挙げれば、それはご自分の得点力が合格基準を満たせる見込みがたたず、合格を確信し難いことと拝察。

この時期、後に該当する諸氏から頻繁に賜るご相談が以下のこと。
「コーネル式ノートって効果がありますか」
「マインマップって以下同文」
「まとめノートって以下同文」
以上は要点を上記ノートによる得点力の上昇を期待してお尋ねのご様子。

ノートの形式も様々に

コーネル式ノートは米国の名門コーネル大学で学生の為に考案されたノート形式。効果の高さから、最良のノート法とされる。米国の有名大学や研究機関で多く採用される。ノート、キーワード、サマリーの三部で構成する書式だ。ノートは一般に言う講義録。キーワードはノートを復習して認識した要点を端的に表した鍵語を書く部分。最後はこの名称の通りノートの要約を書く。

マインドマップもノート法の1つ。しかし、一般的なノートと見た目が大きく異なる。行や列を整えて書く普通のノートと書式が違う。紙面中央から放射式でかき広げるので「変なノート」とも言える。この形式から、要点や発見の追記が容易にできる。要点同士の関連付けも同様なので、例えば論理を構成する主張や事実・データそして根拠などを明確に整理できる。

まとめノートは、皆さんが学生時代の試験対策としてそれぞれに実行されてきた書き方。例えば要点を図解したり、それを色分けしたり、それを囲みなどで強調したりして様々に工夫をされた方法があるだろう。そうした工夫を体系化したノート法は「東大式」として巷間に流布した。

以上のようにノート形式は様々。
合格を目指せるノートの使い方をどうすべきなのか。
今回はどれかのノート法で合格を目指す方法とは何かを再確認したい。

結 論

それは何かをノートしただけで終わらず、そうした内容を必ずアウトプットすること。例えばノートした内容の理解を確認する為に例題を解く。ノートした要点の記憶をチェックする為に、要点を暗唱したりそれに関連した過去問の何題かを解いたりする。そうしてできなかった事をできるようにする為に必要な情報をノートに書き戻す。そしてまたアウトプットする以下同文。

そもそも記憶は記銘から保持そして想起の3段階をなす。記銘という原因が想起という結果を保証するのでない。記憶の対象を想起できた結果がそれを保持できたこと。その保持はそれを記銘できたという原因を保証する。こうした結果が原因を担保する順序の転倒によって意味をなし得る。想起つまりアウトプットが記銘すなわちインプットを在らしめている。

ノートを出力する事は、これをする人に例えば試験本番で「この解き方ってアレだっけ」と必要な情報を頭の中で辿る過程で、意識的に想い出しやすい体験的記憶、つまり試験で使えるエピソード記憶を生成する。記憶は情報を入力する銘記に注目しがちだが、人がこの情報を出力(暗唱したり例題や過去問を解いたりして想起)した際に再び構成され強化されるからだ。

有名なノート法の秘密とは

一方、「でもコーネル式ノートって書くだけで覚えるってよ」と反感を覚える方もあるだろう。確かに、講義録などのノート部分はその情報を書いているだけだ。よって「書く・入力だけで覚えられる」ように思える。しかし、コーネル式の要諦はノートを復習して「この要点は何だっけ」と想起して、キーワードやサマリーを書いたりする。つまり出力が記憶を確立することだ。

他方、「けどマインドマップって書くだけで以下同文」と異論もあるだろう。なるほど「書くだけで覚えられる」とする言説がマインドマップにある。マインドマップ、普通でない放射式で多彩な色使いそして図解や漫画まで動員する独特の書式が多くの物事を確実に覚えられる記憶術の神髄を反映している事実が、その言説を裏付けるようでもあったからだ。

マインドマップの本質とは

マインドマップはある要点を右から左に転記するだけなら記憶をほぼ生成しない。私も一級建築士に合格するまでのある期間、要点をマインドマップに転記することで記憶の強化を期待してもその結果は虚しかった。そうするだけの行為は単なる脳死的な作業であるからだ。しかし、その書式にそって要点を想起したり要約したりして書く・出力する。その出力が記憶強化の効果を発揮した。もちろん貴方に於いても同様のはずだ。

実は、マインドマップの書式は、記する内容を抽象から具体に展開して階層化する行為を書く人に要求する。その過程で「書きたいことって一言で言えば何?」「一言で書いた主題って幾つかに具体的にすると何になる?」「かき広げた鍵語たちを論理として関連づけるのにどれが事実でどれが根拠だった?」と想起や要約などの出力を書き手にさせて本人の記憶生成に与する。

記憶の実体とは何か

記憶は、脳内に例えばUSBメモリのような記憶機物質としてあるとも思える。その有無に関する検証、餌を目指し迷路を探求してそれを得ることを学習したネズミの脳から記憶に関わると想定された物質を抽出する。学習していないネズミの脳にその物質を移植した実験は、移植の効果がないことから、記憶が有形な物資でなく、記憶に関わる神経網が発する無形な作用だと教えた。

その作用とは、「前にここを右に曲がって次は・・・?」とネズミが餌を目指し迷路を探求した体験を想起する度にこれに関わる神経網の連携(記憶に関わる神経的な電気信号の経路)が強化されることだ。イルミネーションが無灯の時に散在する電球の集合だが通電されて星形を見せるように、記憶の神経網は想起の意志に刺激されることで人に記憶を生成させ強化をさせもする。

○○ノート法に効果ってあるの?

最後に冒頭のご相談にお答えしたい。どのノート法にも効果はない。更にジャーナル等の自己実現法までありとあらゆる○○法に効果はない。問題は効果の有無でなく使用者が効果を創るが否かだ。ノート法に効果を創り在らしめるものはノート法を実践する人が記した要点を暗唱したり問題解答で確認したりする行為だ。ジャーナルなら記した思いを基にした行動つまり出力である。

以上に関していかがだろうか。
以下の言葉を皆さんにご提示して今号を終えたい。
「要点をノートに転記するだけで合格できれば誰も苦労はしない」

追い込み終盤期の健闘を祈る。
Good Luck!