要点ノートは○○を前提に作れ

「マインドマップ資格試験勉強法」改め
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2024年4月26日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する型・パターンにも注目する。
合格を目指す貴方にその型を提案することで合格達成を支援します。

言語の厳密化を実践していかがでしたか?

こんにちは。
NLP資格試験コーチの近藤です。

4月も既に下旬。
明日から黄金週間の全半も始まる。
「それって関係ナイよ」とご多忙かも知れませんね。

あるいは、「週中に有休を取って10連休で勉強に全ブッコミ」でしょうか。何れにしても、来週半ばに今月も終わる。この夏期に受験の皆さんは、合格基準の得点を満たせる様に、資格試験の設問その7割が過去問の組みあわせからで出題される事実から、過去問の解法を可能な限り体得すべき時期にある。その要請に応えないようなら、ズバリ、直近の試験で合格を目指しにくい。

そうした事態を解消する一策は前回にご提案した言語の厳密化。今の状況を具体的に細分化してできれば数値的に言語化つまり思考化する。その思考に基礎付いて現状を改善する為の施策を具現化して実施する。実施した結果も「頑張った」のように丸めるのでなく、「施策に対し結果はどうなった」と言語を厳密化つまり数値化して施策の調整と再実行をするのでした。

その一環として次のようなお悩みやご相談も耳に入ってきました。
「想起しにくい解法ってどんなノートにまとめたら覚えられる?」
「暗唱だけがタイパ良さげだけどノートに書いて覚えるのって駄目?」
「学生時代は書いて覚えたのに資格試験は暗唱だけって自分にはムリ!」
なるほど、覚え方って人それぞれ。タイパよりも手を動かして覚えたい訳だ。

では、暗唱つまり言葉にするだけよりも、手を使うつまり書くことで過去問解法を体得することはどうすれば、効果的にできるのだろうか。
今回は過去問解法の体得にも効果を期待できるノート法をご案内したい。

結 論

そのノート法とは想起を促す書式にすること。記憶は入力の反復以上に想起の反復で強化される。漠然と想い出すのでなくて、ある問に対してその答えを想起する能動的な想起をする。そうことでより強固になることが近年、海外の神経科学的な観点に立脚した研究から解明されている。この事実から、例えばQ&Aで構成して能動的な想起を促進する書き方をお勧めする。

その書き方は具体的に言えば前述のように問答を背景にしたノート形式だ。
例えば、一級建築士の法規で頻出の開口問題をその形式で次に例示する。
・ノートの左から例えば1/4程度を問の欄に当てる
・その2/4程度後からを答えの欄とする
・問と答えの欄を線で区切る

  問    答
5つの開口|換気(法第28条第2項)
関係条文?|採光(法28条、令19条、令20条)
     |排煙(令第126条の2)
     |避難(法第35条、同令第16条の2第1項第1号)
     |無窓(消防法施行規則第5条の2)

想起式ノートの使い方

「復習は見直そう」とノートを漫然とみるだけでは駄目だ。ご賢察のように、答えの欄をかくし問から能動的な想起を行うように使う。例えば「5つの開口とその条文は何?」と自問自答つまり一人問答をする訳だ。誤答したり答えを満たせなかったりした項目はこれを法令集で再読し要点を暗唱する。勉強の終わりに再び能動的な想起ができるか、該当するノートで確認する。

「それってカード形式でやっちゃ駄目?」

実にご質問だ。表に問いを裏に答えを書けば良い。このような形式にしておけば想起式のノートとして十二分に機能することは学生時代にご経験の通り。資格試験にも十分に通用する。よって、デジタルに強い方なら「Anki」アプリをスマホにインストールしてお遣いになるのも一策だろう。アナログだろうがデジタルであろうが、問答形式による能動的な想起を行うことが肝要だ。

想起式ノートでもご用心

ご用心頂きたいことがある。それはノートづくりに時間をかけることは、過去問解法を体得することの手段であって決して目的でないこと。絶対的な禁忌であることだ。人は往々にして手段と目的とを取り違える。気がついた時には手段を満たすことが目的になってしまいがちだ。能動的な想起を繰りかえすことで、過去問の解法を習得できる時間をウッカリノートづくりに費やしてしまう。

例えば、「答えの欄はカラフルにした方が良さげ」と色ペンを多彩に使いついでに目にも鮮やかな図解まで書くことで時間を費やしては駄目だ。そうするのでなく、鉛筆の単色で判読できれば良いので殴り書きでも構わない。過去問解法の要点を想起できるか否かを確認できれば見た目は二の次だ。それより中身、特に事例と事例をあげた根拠そして結論と言う論理を整える方が大事。

マインドマップを使うってどうなの?

直上の問に関して皆さんのお考えはどうだろうか。
例えば講座やコーチングの経験から以下のようと想定される。
・書くだけで覚えたいことが覚えられるって言うから良さげ
・視覚的な書き方なので書いて視ているだけで要点を覚えられそう
・元々が記憶法をベースにしたノート法だそうなのでいいんじゃないの

なるほどね。そのようなお考えはあり得る。例えば拙著やマインドマップ考案者であるトニー・ブザンの著書にもお考えのような記述もある。私自身もご指摘のような経験を大いに得てきたからだ。しかし、そう言うお考えはさてどうだろうか。先のお考えに対して誤解や勘違い無根拠な期待としてご指摘せねばならない点がある。

マインドマップにもご用心

まず、書くだけで覚えられるのは、30年以上のマインドマップ経験からも言える事だが、そのことが想起を前提として書く場合だ。例えば、折に触れて考えてきたことを想い出して書いたり、読了した本の要点を想起しながら書いたりした場合はそうした事を整理しつつ話の道筋も整えつつ覚えることができる。そうしたことが可能なのは、想起を前提に書いた場合だ。

次に、書いただけで覚えられるのは想起を前提にした場合で、参考書や解答解説の要点を書き写す作業的なマインドマップを書いた場合、これの記憶強化を期待することは大方が失望を招く。要点を書き写す作業的な書く行為は諸説から勉強をしているつもりの脳死的勉強な手作業であることが多いからだ。無論、視ているだけでと言うのも「それができれば苦労はしない」と言える。

更に、記憶法をベースにしたノート法であることは、即座に書くだけで過去問解法を覚えることを担保しない。そうではなくて、書き方自体が資格や聴覚そして感情を刺激することが想起をより良くする経験則を体系化した記憶法を基盤にすることから、ある要点を想起しながら書くと先の記述法自体が作用してこそれを覚えることに期待を持ち得るのだ。

解法習得は想起の後についてくる

ここに至って、「マインドマップを書くのもヤッパ想起なんだ」「マインドマップも確認テストとして書くのが良いのね」と試験勉強に於けるマインドマップの使い方に関してもお気づきであるのならご明察である。そう、マインドマップもある問に対する答えとして書くべき内容をどう書けば正答なのかを想起して書くことが過去問の解法を習得つまり覚えることにも貢献できる。解法の要点をまとめたマインドマップを想起しながら新たな想起マインドマップを書くのもそれを暗記することに有用だ。神経科学の諸賢がそう諭すのだから。

想起を促す問答形式のノートが有用でありますように。
健闘を祈る、Good Luck!!