ChatGPTでマインドマップ

こんにちは、こんばんは
マインドマップ歴三十年超えの近藤です。
岸田政権時に喧伝された言葉がリスキリングでした。

それは原語で「Retraining」又は「refresher training 」。これがカタカナ表記だと何やら高尚な響きを帯びるが、直訳すれば再訓練だ。端的に言えば働きながらも勉強しろと言うのだ。世に言うAIブームの影響下、企業のDX(デジタル技術の活用によるビジネス変革)に対応できる知識や技能を習得する再教育、つまりDX関連の勉強を社会人に求める。

その風は「勉強しないヤツは吹き飛ばすぞ」と脅しにかかるのだが、DX関連の勉強に限らず、新しい事を学ぶことは言うまでもなく決して容易でない。例えば、「AIプロンプトでも勉強するか」と関連書籍を捲り始めてみても、次々と見知らぬ概念や知識に遭遇して、目は文字を追いつつも頭はそれに追いつかない。

従来の勉強法に隠れた落とし穴

そこで「気を引き締めて勉強しなきゃ」と我慢して読み進めるが、混乱の雲が頭に拡がり理解の光を遮る。知らぬ間に欠伸を催し、高校時代に三角関数で和積の公式を習った時の様なモヤモヤを覚える。「頭がスッキリしたらまた読もう」手に取った本を放り出してしまう。混乱は理解の前兆と言われもするが、学びに困難をもたらす。

そこで、学生時代のように、要点と思しき箇所に付箋を貼ったり下線を引いたりマーカーで着色したりしてみる。しかし、そうした甲斐もなく理解がすすいだ様子を自らに認められない。実は、海外の研究が明かす様に、それらの行為は労力に比して殆ど学習効果をもたらさないからだ。チョット待って欲しい。勉強を諦めるのは未だ早い。救いはまだあるのだから。

旧式の勉強法より新式の能動的な想起

それが能動的な想起。「さっき読んだ要点って何だけ?」と自問自答することだ。勿論、答えは元の情報通りに一言一句の想起を求めない。そうではなくて自分の言葉で想起の内容を表す事が能動的な想起を有用にする。「いきなり言葉にしろって無理ゲー」であるならばノートでも広げて鍵語や図解を自分なりに書いてもよい。

そう聞いて「それってマインドマップで良くネ」とはご洞見である。マインドマップは一般的なノートと異なり、連想を基盤に思考を広げることを好む脳神経機構らして、既にこれをご使用の方が実感されるようにサクサクと能動的な想起を手伝ってくれる。本を読んだらその理解や復習の為に、読んだことを想起してマインドマップを書く行為も有用である。

AIでマインドマップを書くってどう?

マインドマップを書く行為はリスキリングに限らず他分野で散見できる。例えば、目敏い方々は、AIにマインドマップを書かせる事を既に常識としている。AIが得意とする要約を小難しい文章に施し、その結果を更にマインドマップにさせることで自らの学習を加速させている。将にDX的な学習方式だ。

例示してみよう。プロンプト「下の文章を要約して、次にマインドマップにまとめて、PlantUMLで出力してください。」に対象の文章を続けてChatGPTに送信する。できたPlantUML形式のデータをPlantUML Web Serverの編集窓に貼り付けSubmitをクリックするだけ。

自然知能でマインドマップを書く

一方、「プロンプトも分からないのにそれって無理!」とのご反発もあるだろう。しかし、気を静めていただきたい。マインドマップをAI・電脳に書かせなくていよい。人脳つまり自然知能を使ってそれを書けば、むしろそうすることが、脳の延長と言われて手を使う行為が学習効果を高める経験則からして、大いに好ましい。

立ち返って、勉強している例えば本の内容をAIに与えてプロンプトをして、マインドマップを書かせる手間を考えれば、それの要点を想起して自らマインドマップを書く方がコスパが良い。例えばカフェで飲み物を楽しみながら、勉強本と紙とペンがあれば、手軽に学習効果を大いに期待できる能動的な想起ができる。

でも、「マインドマップってチャンと書きゃなきゃデショ?」と懸念される向きはお察しする。この国では、チャンと正しくが尊重されるからね。しかし、ハッキリ言って、それらは二の次で良い。最も大切なことは、能動的な想起を行う学習だ。マインドマップもルールに沿えるに越したことはないが、我流で一向に問題ない。

能動的な想起としてのマインドマップ

要点は、能動的な想起の一手段としてマインドマップを書いてみることだ。勿論、「でも書き方に沿った法が良くネ」とお考えであるならば参照先はマインドマップの書き方だ。何れにしても、能動的な想起つまり有用な勉強の復習として自分の言葉で書き物をされる事が効果的な学習をもたらすことを再確認しておきたい。

他方で「正直、手で書くのは面倒」とお考えもあるだろうか。積極的な想起ができれば、手を動かす方法の1つとして、先の想起内容を打鍵してテキストデータにすれば事足りるとご想定の通りだ。ならば、ChatGPTにマインドマップの元を作らせて、それからマインドマップを作成しよう。大枠は前述した事例と変わらない。

最後に、資格試験の勉強で例えば建築基準法など読解に難を覚える法文をマインドマップの元をChatGPTに作らせるのも同様だ。「下の法文をマインドマップにまとめてPlantUMLで出力してください」としたプロンプトと法文とをChatGPTに送信して、後は同じようにする。

その結果は右の通りである。一級建築士、学科試験の法規に頻出である建築基準法第六条を前述の様にして作成した。ザックリ法文の骨子を掴むのに十分だ。

AIマインドマップでリスキリング

ご覧になってどうだろうか。例えば「モノトーンは味気ない」かも知れない。そうお考えならば、公開情報である「PlantUML言語リファレンスガイド」に規定するskinparam使えば下のように有彩色で影付きのマインドマップもサクッと作れる。但し、マインドマップを作る事を目的にする自己目的化にハマってはいけない。マインドマップは例えばリスキリングを目的にした学習や資格試験の勉強で合格を目指す、それらの一手段に過ぎないからだ。そこに注意しながらAIでマインドマップを書こうとする過程は自ずとAI関係のリスキリングになることもまた事実だ。

上のマインドマップを作ったデータは下の通り。但し、ChatGPTは上の様に展開するマインドマップのデータを作れるほどまだ賢くない。PlantUML形式のテキストデータは、ChatGPTで「マインドマップ」とされるデータ形式に慣れれば、これをエディターで泥臭く手作りすることは実に容易い。何れにしても何かのご参考になれば幸いである。

@startmindmap
<style>
mindmapDiagram {
' 主語は赤紫で影あり
  .shugo {
      BackgroundColor #FF99FF 
      FontStyle bold
      FontSize 14
      Shadowing 2
  }
' 条件は薄黄で影なし
  .jyouken {
      BackgroundColor #FFFFCC
      ' FontSize 14
      ' Shadowing 2
  }
' 述語1は薄緑で影あり
  .justugo1 {
      BackgroundColor #CCFF99
      FontStyle bold
      FontSize 14
      Shadowing 2
  }
' 述語2は水色で影あり
  .justugo2 {
      BackgroundColor #CCFFFF
      FontStyle bold
      FontSize 14
      Shadowing 2
  }
}
</style>

 /'以下でマインドマップを描画'/
* 建築主は、<<shugo>>
left side '左側配置
**: 第六条 
(建築物の建築等に関する申請及び確認); /'複数行は:で始めて;で閉じる'/
** 第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合<<jyouken>>
**: (増築しようとする場合においては、
建築物が増築後において
第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、;<<jyouken>>
**: これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合
又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、;<<jyouken>>

right side '右側配置
** 当該工事に着手する前に、<<jyouken>>
** その計画が建築基準関係規定に 
***: 規定(この法律並びにこれに基づく命令 
及び条例の規定その他建築物の敷地、
構造
又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令
及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)
で政令で定めるものをいう。以下同じ。);
** 適合するものであることについて、
** 確認の申請書を提出して<<justugo1>>
**: 建築主事又は建築副主事
(以下「建築主事等」という。)の確認を受け、;<<justugo1>>
***: 確認(建築副主事の確認にあつては、
大規模建築物以外の建築物に係るものに限る。
以下この項において同じ。);
** 確認済証の交付を受けなければならない。<<justugo2>>
@endmindmap