忘却を活用して合格を目指せる分散学習

「マインドマップ資格試験勉強法」改
「NLP資格試験勉強法」公式ブログ版2026年1月30日号
本誌はNLPの観点から合格を目指せる勉強法を提案します。

合格者は自らがこれ自身になれる勉強を行えた。
NLPはその人たちに共通する思考と行動にも注目する。
本誌で合格を目指す貴方にその神髄を提案して合格を支援します。

解ったつもりの解消法にどう取り組んでいますか

こんにちは近藤哲生です。前号のお題は解ったつもりの解消法だった。解ったつもりとは、例えば受験参考書や法令集をスラスラと読めるから本試験でも得点できると算段する様相。これに対して「それを流暢に読める事がどのように本試験で合格点を取れることを保証するのか」と自問してみると、その答えはどうだろうか?

確かに「サクサク読めるってスルスル問題を解けるって事よね」とするご回答もあるだろう。だが、それは勘違いむしろ間違いである。本試験まで事の正否を待たずともよい。手近な例題や過去問を解くと直ぐ解る。「スラスラ読めるって事と問題に正解できる事って違うんだ」と誤答をして痛感できる場合が殆どであるのだから。

その様な資格試験の勉強に限らず何かを学習することに於いて、例えば教科書の要点と思える箇所にバシバシ下線を引けたりマーキングできたりと何かを流暢に何かができることが、そうした効果をテストで検証すると期待した正答をなし得ないから、理解や記憶など学習の本質を意味しない。その勘違いな現象が流暢性の罠だった。

受験勉強の追い込み期によくある悩みやご相談

週明けから月替わり。今夏が本試験の受験生に追い込み期の開始でもあり次の声が漏れさせる。
「過去問を解き始めたけど×ばっかで落ち込む」
「繰りかえして過去問を解けって言われてもそれが嫌だ」
「初回だけでなく2回目や3回目も誤答するってどうしよう」

勿論そのような落ち込みを回避できる様に流暢性の罠に関して手を変え品を変えて本誌は皆さんに「参考書や法令集を読んだら例題を解いたり要点を暗唱してね」とご注意を申し上げてきた。しかし、「聴いたとおりができるんだったら苦労はシネーヨ」が受験生の現状でもある。合格まで長期を要した経験からご理解を申し上げる。

一方、受験勉強の追い込み期、各受験科目の得点とそれら総点とで合格基準を満たす為に有用な学習法が、特に資格試験の設問はこの8割前後が過去問の組み合わせから出題される事実からして、過去問の答えでなくその解き方の体得だ。この体得は勿論のこと一朝一夕でなし得ない。では、それをどのようにして行うのか。

忘却を活用する方法

それが忘却、例えば苦労して覚えた過去問の解き方を忘れる現象、これを活用する方法だ。なるほど「忘却を活用するってナニ、物忘れするから受験勉強が嫌なの、あんたバカ?!」とお怒りかもしれない。しかし、忘却を活用する行為が逆に学習の1つである記憶を強化してくれる。その繰り返しに相関して記憶が強化できる。

物事を覚える記憶はまずこれを行う入力に依って生成される。次にこれを想起することで再生成される。再生成と書き記したように記憶は、デジタル記録と異なり一度生成したらそれ以降に不変でない。事実、可変であり下手をすると忘却に至る。忘却の手前で想起による再入力を繰りかえして行うことでこれを強化もできる。

その仕組みは「記憶の強度 = 学習対象に触れる回数 × その回数あたりの学習強度」とする法則に立脚する。上記の回数が多いほど、その強度が高いほど、記憶の強度は高まる。よって本試験で設問を目にした瞬間に正答を選び得る程にもなし得る。ここで「ジャ、高強度で一発記憶ってデキんじゃね」とお考えかもしれない。

試験勉強で記憶を強化するには

勿論、トラウマ的体験、例えばSNSの履歴を視ながらの帰宅の途中、人に言えない恥ずかしい行為にまで及んだ暴漢と遭遇した様な体験は忘れたくても忘れ得ない。思い出したくないても事ある度にフラッシュバックするような記憶の強度を発揮する。しかし、試験勉強で接する対象は幸か不幸か高強度の体験でない。

そうではなく、それはある意味に於いて極めて安全である。物事の定義や法則に関わる記憶を形成する意味記憶になる。人によっては退屈な例えば法令集の条文や構造計算の公式、ひいては過去問の解き方などの様に「意味プー」な学習対象である。であるから、その解き方を体得して、本試験でそれを使える為には工夫を要する。

その工夫が次のようにして忘却を活用する分散学習の方法だ。
2回目は1回目の1日後に解き直し結果的に覚え直す
3回目は2回目の1週間後以下同文
4回目は3回目の2週間後以下同文
5回目は4回目の1か月後以下同文

忘却曲線が教える分散学習

ご案内の通り私たちは記憶を保持し続けることが多くのエネルギーを要する事から自らが有する脳の省エネ機構によって1時間後に学習した内容の6割、1日後に7割程度を忘却する。勿論、得意科目と不得意科目とでその割合は異なる。特に、後者であれば1時間後に過半を超えるという忘却の進む事態を想像するに難くないはずだ。

上記の繰り返しは科目によりこう分散学習することも得策だ。
2回目は1回目の1時間後に解き直し結果的に覚え直す
3回目は2回目の1日後以下同文
4回目は3回目の3日後以下同文
5回目は4回目の1週間後以下同文

そのようにすることで、人脳が繰りかえし知覚した対象を「これって大事なことジャね」と記憶にとどめ易くなる機構を発揮する。事実、繰り返し会ったり見聞きしたりしたドラマを忘れない様に、そうした対象を数ヶ月先に臨む本試験でも過去問の解き方を想起できるような長期記憶つまり使える記憶に転じてくれる。

忘却を活用する分散学習が有用である脳機構

何故ならば、前述のように忘れる頃に過去問を解く学習の繰り返しは、「ウッ覚えた筈の解き方を忘れている」と多少、否、人によってはそれが衝撃つまり強度を有する体験(でなく「忘れたからってナニ」と嘗めてかかる様では試験勉強が極めて怪しい)であるから、脳は「これって覚えなきゃ」と強度を覚えて記憶を強化する。

結果、忘却による記憶の払底が遅くなる。むしろ記憶強度が底上げされる。即ち例えば過去問の解き方等の記憶量が増す。結果、嫌というほど繰りかえして覚えたかけ算の九九が一瞬で思い出せる様に、本試験会場に持ち込めて試験問題を見た瞬間に書き方が解る様な使える記憶をより多く蔵することが叶う。

以上が、忘却を活用する分散学習つまり記憶である。対して多くの方がご体験であろう1回こっきりで覚えようとしたそうあの一夜漬けと言う記憶法はどうだったか。テストを目にした瞬間、「覚えたつもりだったのに」と背中に冷や汗を覚えただろう。何せ脳が省エネモードで記憶保持につかつモノを節約するのだから。

いるのは頭の使い方か悪い人だけだ

その様に人脳は無能でも怠惰でもない。そうではなく無能や怠惰に思える働きをさせるこの持ち主がある。人脳を模した生成AIがプロンプト次第で幻覚を発症したり脅威的な有能さを展開したりするように人脳も持ち主責任でいかようにも有能で勤勉にもなり得る。頭の悪い人はいない。頭の使い方が悪い人がいるだけだから。

ここまで読み進めると目敏い方は「ジャ同じ繰りかえすにしてもやり方次第で効果がチガクネ」とお考えだろか。前述した学習・記憶の法則からしてご賢察の通りであるが、それはまたこんど。

忘却を活用する分散学習に健闘を祈る
GoodLuck!