言語とは

NLPの言語とは何か。
「言葉を使わずに何かを考えて下さい」
もしそういう言葉を耳にしたらどうでしょうか。
「えっ、言葉を使わずに考えるってナニ?」

直ぐさま心の中でそのように言語を組み立てたつまり思考したはずです。言語は思考と表裏一体です。思考はこのほとんどが口にされない言語であり、言語とは口にされた一部の思考です。私たちが自作自演できる演出家兼役者であるにもかかわらず、主観的な内部体験という自分の舞台さえ時に思い通りにできない訳が演出テーマを決めている思考つまり言語があるからです。

言語の働き

例えば、「オレ・アタシっていつもダメだ」とする制限的な思考・言語を演出テーマとする人はどうでしょうか。仮に何かでポジな経験をしたとしても、そのテーマに合うような自作自演をします。

例えばパーティの数時間を楽しく過ごしていた。最後にコーヒーで自分の服をちょっと汚したとしましょう。そのように経験のごく一部であるネガな出来事を敢えて大きく鮮明に大きく視る主観的な内部体験を先のテーマに合わせた演出します。

ポジだったはずの体験をコーヒーの染みで汚れてしまって暗いものとして主観的な内部体験として再現する。「オレ・アタシって『いつも』ダメだ」と自らを再び制限的に思考・言語にする。実に馬鹿げた心の堂々めくりですが、言語はこうして主観的な内部体験のテーマたり得るのです。

NLPの言語モデル

その様な言語をNLPはどう捉えるのか。意思疎通の達人と評された心理療法家やセールスパーソンなど様々な人達の言葉使いを研究した結果として次の様に大きく3つとしてモデル・型にしました。

  • メタモデル:制限的な思考の解除に資する言葉の型
  • ミルトンモデル:解放的な思考の促進に有用な言葉の型
  • スラウトオブマウス:心理的な援助の橋頭堡を創る言葉の型

メタモデルは家族療法家バージニア・サティアなど巧みに心理療法を成し遂げる人達の言語を探求して体系化した型です。言語の生成過程は膨大な情報処理を効率よく進められるよう無意識的に言い落としをします。そうされたが実は有用だった認知を回復させる為に言い落としの回収つまり欠落した情報の具体化をします。制限的な思考の解除を目指します。

ミルトンモデルは秘術でも使ったかのような巧みさで頼る人を望ましい状態に導いたことで著名な心理療法家ミルトン・エリクソンの言葉使いを研究して体系化した型です。あることを語りかけるに際して、意識的に言い落としをした言葉の型によって情報の抽象化をします。大幅な解釈のできる解放的な思考を促します。前者と後者とは表裏一体です。対照的な鏡像関係を形成します。

スラウトオブマウスは、例えば「オレ・アタシって勉強にやる気を出せない」と嘆く人に対して、「やる気を出せないことにやる気を出せるんだ」と返します。その人があっけにとれらクスッと笑ってしまう。難く閉ざしていた心を緩め始めるように巧みな言葉がけをする言語パターンです。

以上は概略でしたので、それぞれを別項で詳しく説明します。